デヴィッド・グレーバー、アナーキズム

2016年8月24日、吉祥寺のB&Bでのブレイディみかこ氏と國分功一郎氏の対談でのこと。ブレイディさんがケン・ローチ監督の「THE SPIRIT OF '45」について語られていたのが記憶に残っていたことから、ご縁あって日本で『1945年の精神』としてDVDを出すことができました。ブレイディさんには字幕監修、解説でお世話になりました。ご著書からアナーキズムも気になり始め、氏のブログにより遅まきながらデヴィッド・グレーバーの名を知り、『資本主義後の世界のために』(高祖岩三郎訳 以文社刊)と『官僚制のユートピア』(酒井隆訳 以文社刊)(『負債論』はその厚さにビビっているので横目で眺め中)を読んでみた。ブレイディさんの言われている“地べたとポリティクスが繋がる”(『子供たちの階級闘争』(みすず書房刊)より)のは、アナーキズムという実践なんだなと思った。ほとんどの人がなぜか無意識的に批評的な立場になりがちな今の日本で、この“実践”ということをいか展開するのか、について考え、具体的にしていかないとなと思う。また、官僚制というのは官民隅々にまで行き渡っている仕組みで、ほとんど倒錯的に機能してるんだなとわかる。制度を維持するための制度として。この状況をわかりつつどう地べたで動くか…。